カブトムシの壺

消しゴム付き鉛筆

「田舎の未来」を読んだ。

 

僕は、まぁ車で20分くらいの距離にイオンがあればどこでも良いっすね、と思うくらいには地方創生とかそういうものに興味が無い。無かった。

 

「田舎の未来」という本を読んだ。これは、衰退していく筆者の北海道の地元の現状と、それでも諦めずに何か出来ないかとしぶとく可能性を探り続けて戦っている事や調査の7年間をまとめた本だ。

 

元々、筆者と仕事で少し関わりがあるので知っていて、あと僕の出身地の滝上町遠軽は距離にして62kmくらいと近いのでいつか読もうとは思っていた。また、会社のインターンシップのテーマと被ることも多そうだし、お盆休みだったしで良い機会だなと思って、読んだという感じ。

 

結論を言うと、とても面白かった。同じような地元の僕から見て、共感出来ることだらけだった。

 

 例えば、「地方と都市」という対立構造(地方での丁寧な暮らしvs都市での刺激的な暮らし)をやめませんかという話。

丁寧な暮らし。ハッキリ言うと僕の大嫌いなキーワードだ。僕の地元は冬になると、年によっては一晩でドアを開けることが出来なくなるまで雪が積もったり、-40℃まで気温が下がったりする。正直、丁寧な暮らしどころではない。一晩うっかりしていると死ぬんだから。だからどうしても違和感を感じてしまう。

地方と都市という対立構造に持ち込むこと自体がナンセンスで、益々溝が生まれていくからやめろ、という筆者の意見に賛成だ。

 

そんな感じで、自分の中のモヤっとしていたことや、それへの回答を述べていて非常にスッキリとした。

 

今、僕は妻の実家が近いから新潟にいる。良い意味で特に場所に対してのこだわりがないので、別に自分の地元に戻りたいとも思っていない。その土地に対しての面白さって特に無いものだと思っているからだ。

しかし、今所属しているフラーが長岡花火アプリ、佐渡汽船公式ページといった地元に密着した仕事をしていることや、この周辺の土地で本気でやっている人に会ったりして見て、ちょっと気持ちが変わってきている。

どういう風に変わったかというと、「地方に面白い人なんていないんだろうな」とどこか偏見を持っていたのが、「自分が面白い人を探していないだけ。面白い人はちらほらいる」という気持ちに変わった。

例えば、この前南魚沼市で6日間インターンシップをやったのだけど、そのインターンシップの協力をしてくれた市役所の人がバリクソ面白い人だった。僕の中の公務員のイメージが変わった。

 

そして、この筆者のように。地方にも面白いことをやっている人は、多分他にもいる。インターネットによってその熱量が伝わりやすくなってきている。

何が言いたいかというと、僕は「地方創生」という難しい言葉はちょっと意味が分からないけど、「地方でやってる地方にしか出来ない面白いことや、そこにいる面白い人」に対しては単純にワクワクするし、人々も結局そこに惹かれるのでは無いか。ということだ。

 

まとめると、地方創生って、その土地にどれだけ熱量が高く面白い人がいるかで決まると思っている。僕はそれになろうとは思わないけど、そういう人の熱量を伝えられるように、ふわっと他の人に波及させることが出来たら面白いなぁと思ったりしている。

 

今日はそんなとこで。

 

(参考)

http://sanokazuya0306.hatenablog.com/entry/20120922/1348323875 

 

田舎の未来 手探りの7年間とその先について (SERIES3/4 4)

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