何者かになりたいと思う気持ちと、このまま何者にもなれないのだろうかという気持ちがずっとあって
前に進めているときはまだ、ちょっと近づいたなと思えて気持ちのしまいどころが見つかるけど
そうでないときにはいっそ何者かになりたいと思う気持ちすら捨ててしまいたくもなる
考えて考えて、気持ちが揺れ動くこと自体が辛いのならいっそ、山月記の李徴のように心を無くした虎になれたら楽だろうに、そうもいかず
ハンバート ハンバートの「虎」はそんな感じの歌。歌詞だけ読むとちょっと悲壮感があるのだけど、曲として聴くと、吸い込まれるような歌い方とゆったりとしたメロディーが妙にハマっていて悲観しているような感じなく聴こえる。「曖昧なままで良いんだよ」と言われているようで、落ち着く。